- 佐藤稜馬(ライフスタイルスポーツライター、サーフィンインストラクター)
- さとう・りょうま|神奈川県茅ヶ崎市生まれ。幼少期からサーフィンに親しみ、競技大会にも出場。一転、専門商社の営業職に就くも、さらに一転、フリーランスのライターに。現在はライター業のかたわらサーフィンスクールを運営し、全国各地から生徒が訪れる。
- Instagram - @ jjjryoma
潮風感じる場所に建つ、サーフィンスクールの拠点兼自宅
佐藤さんは、生まれも育ちも神奈川県の茅ヶ崎エリア。長く暮らした実家は海に程近く、所要時間はわずか徒歩1分。幼少期からおのずとマリンスポーツに親しみ、サーフィン歴は20年以上。現在はサーフィンの経験と知識を生かしたライターとして活動するかたわらサーフィンスクールを運営し、インストラクターを務めている。
「しばらく実家住まいを続けていましたが、スクールの拠点を設けるために家を借り、今はここに暮らしています。スクールの拠点にする以上、海への近さはマスト。実家に負けず劣らず、潮風を感じられるロケーションです」
スクールの拠点を兼ねた佐藤さんの自宅は、レトロなムードが漂う平屋建て。経年を感じさせるトタンの外壁がどこか懐かしく、庭には大工仕事を得意とする佐藤さんの父が設えた、木張りの小屋がたたずむ。
その小屋の内外にはスクールの生徒に貸し出すサーフボードやウェットスーツが並び、道具を持たないビギナーも受講できる。さらには、海から帰った生徒たちが浴びるシャワーも佐藤さんの父によるDIY。
「海に近い立地であることともう一つ、譲れなかったのが平屋であること。平屋って、風通しがいい気がするんです。スクールに参加してくれる生徒さんには、まずはこの場所でリラックスしてサーフィンに臨んでもらいたくて」
まずは肩の力を抜き、サーファーが過ごす日常の追体験を
風通しはもちろん、南向きゆえに日当たりも良好。スクールに参加する面々はこの拠点に集合し、佐藤さんが淹れたコーヒー片手にアイスブレイク。準備が整ったなら自転車に乗り、サーフスポットまで束の間のツーリングを楽しむ。
「ここからサーフスポットまで、自転車で3分くらいです。本当にわずかな時間ではありますが、サーフボードを自転車の脇にセットしたキャリアに載せて海まで走ると、すごくローカルな気分を味わえます。これは地元のサーファーたちが実践している移動手段。せっかく波に乗るなら、サーファーの日常を追体験してもらいたいんです」
ボードを小脇にサドルにまたがり、潮風を切りながら自転車を走らせる。この気持ち良さを味わえる佐藤さんのスクールの魅力は、まさに〝サーファーの日常の追体験〟にある。丁寧な指導の一方、過保護にし過ぎることはせず、目指すのは独り立ち。インストラクターのアシストなく波に乗れてこそ、サーフィンの醍醐味を知ることができる。
「とはいえ、マリンスポーツには危険も伴います。だからこそ、生徒さんにはリラックスしてもらって、まずは指導者である僕との信頼関係を築いてもらいたい。安心して『ヘルプ!』の声を伝えられる関係性を構築するためにも、この場所では肩肘張らずくつろいで、実家に帰ってきたくらいの気持ちで過ごしてもらいたくて」
誰かに使い古された温もりと経年の趣が織りなす、リラックス
スクールの生徒たちが集う平屋は1LDKの間取り。横にワイドな平屋らしく、LDKだけでも10畳ほどの広さがある。築40年を超える物件ながら室内はリノベーションされ、木目の天井もまた、リラックスムードを漂わせている。
「個人的にも、経年を感じられるウッドの家具が好きなんです。反対にいかにも真新しい家具は、ちょっと窮屈に感じてしまって。特に経年によって色の深みを増した木の家具って、南国リゾートのインテリアを彷彿とさせませんか?実際、この家には新品の家具がほとんどなく、なかには父親が廃墟から拾ってきた箪笥もあるくらいです(笑)」
例えば、佐藤さんがワーキングデスクとして愛用しているライティングビューローは、リサイクルショップから掘り出した工芸品のヴィンテージ。スクールの生徒が憩うベンチは、かつてフランスの病院で用いられていた過去を持ち、廃墟から救出された菊の紋章があしらわれた箪笥も、スクールの拠点兼自宅に違和感なく調和している。
「改めて振り返ると、実家のインテリアもこんな感じです。ピカピカとした真新しい家具は見当たらず、人に使い古された温もりある家具ばかり。それに幼いころ、家族との海外旅行で泊まったコンドミニアムのような平屋もこんな雰囲気でした。そこも海まで近く、初めてのサーフィンをして。僕にとって、サーフィンに魅了された原体験です」
さすがはサーフィンスクールの拠点らしく、室内にも波乗りの相棒たるボードが顔を出し、ボートがセットされた木製のラックは佐藤さんによるDIY。クローゼットの扉を開けば、ここにもびっしりとウェットスーツが並ぶ。
サーフィンにかける佐藤さんの情熱を感じさせながらも、ユーズドの家具やDIYのラックに経年と手仕事の温もりが宿り、おのずと肩の力の抜けるこの場所ではサーフィンの講習後、部屋で一眠りする生徒もいるという。
居心地の良さゆえに、常にアップデートされていく住まい
「サーフィンを筆頭にマリンスポーツを楽しんだ後って、心地のいい疲労感があるんです。その疲労感のままに居眠りまでしてもらえるって、僕としては光栄。そのくらい、ここがラフにリラックスできる場所ということだから」
居心地の良さを証明するのは、すやすやと寝息を立てる生徒の姿だけにとどまらない。スクールの拠点と自宅を兼ねたこの場所には、入れ替わり立ち替わり友人がふらりと立ち寄り、コーヒー片手に何気ない会話を交わしていく。
「この家に引っ越してきてから約1年。風通しも日当たりもウッドの家具も、ここを訪れる全員がリラックスできることをモットーにしてきましたが、まだまだ発展途上です。というのも、友人だったり生徒さんだったり、ここに来るみんなが家具を譲ってくれたりステッカーをくれたり、住まいの表情がどんどんアップデートされているんです」
アップデートされゆく住まいの土台にあるのが、経年の温もり。エイジングの趣を好む佐藤さんらしく、所有する服の多くもユーズド。古着屋さながらに並べられたワードローブにもまた、肩肘張らないムードが漂う。
定まることなく、どんどんとアップデートされていく住まい。その理由はまさに、この場所が気兼ねなく訪れられ、おのずとリラックスできる場所だから。訪れた人がくつろぎ、訪れた人によって住まいの表情が変わるという好循環がある限り、佐藤さんのスクール兼自宅に完成形はなく、時を経るごとに居心地の良さを増していく。
ひとりも、誰かと過ごす時間も心地いい平屋の家
サーフィンスクールの拠点を兼ねた佐藤さんの住まいは、そこに漂うリラックスムードが人を呼び寄せる——。LIFE LABELとPacificによる「Pacific HOUSE」もまた、おのずと肩の力の抜けるラフな心地良さがテーマ。
サーフィンのメッカである“ハワイのローカルハウス”をイメージソースに、レトロにしてポップな三角屋根の平屋をクリエイト。横にワイドな平屋が開放感とリラックス感をもたらし、ハワイを彷彿とさせるラナイ、つまりは軒先のバルコニーを標準装備。玄関を開けると広がる大空間はあえて残した梁や柱が目を引き、経年変化も楽しめる。
そして、ミントグリーンとのコントラストが映える白壁は、自分らしさを象徴するアイテムをディスプレイするのにぴったり。そんな住まいなら訪れた仲間と過ごすひとときはもちろん家族やひとり過ごす時間も心満ち足りる。
- Photo/Sana Kondo
- Text/Kyoko Oya
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ついて もっと 知りたい…?そんなこと
言わずに 聞いてください…あきらめて
ハイって 答えましょうよ」